<出所者支援>社会復帰の総合対策固める 福祉に重点…政府
政府は、刑務所や少年院からの出所者の社会復帰を実現するための総合支援策を固めた。障害者や高齢者など自立困難な受刑者に入居施設をあっせんするなど、「司法から福祉への移行」を推進するのが特徴で、各都道府県に専門の「支援センター」を設置する。再犯を減らす狙いもあり、法務・厚生労働両省は来年度の予算化をめざす。
支援策によると、自立困難な受刑者については、法務省の保護観察所が「調整担当官」を各刑務所に派遣し、受刑中から相談に乗る。厚労省が各地に設置する支援センターは、福祉施設など住居の確保や福祉サービスを受けるのに必要な療育手帳の取得を社会福祉法人やNPO(非営利組織)に委託する。出所後の障害者らの孤立を防ぐため、入所中から調整担当官がセンター側と繰り返し協議する。
自立可能な受刑者については、刑務所などにいる間の職業訓練や、出所者を受け入れて就職を支援する国営施設の整備・運営を盛り込んだ。具体的には、刑務所に就労支援の専門スタッフを配置するほか、出所後の居住地で就職できるよう各県ごとに「協力雇用主」を増やす。
また今年度中に、仮釈放者を受け入れて協力雇用主にあっせんする国営の「自立更生促進センター」を福島市と北九州市に、刑期満了者らに農林業の訓練などを行う「就業支援センター」(仮称)を茨城県ひたちなか市に設置する方針。【石川淳一、川名壮志】
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