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けいれん性発声障害 風邪でもないのに声が出づらい。診断が難しく…

 ◆けいれん性発声障害 風邪でもないのに声が出づらい。診断が難しく、精神疾患との混同も。

 ◇脳に異常、声帯開かず

 ◇声帯の緊張ゆるめる注射や、手術で筋肉摘出も

 ある時、自分の声がうまく出ないことに気付く。風邪薬を飲んでも改善せず、耳鼻咽喉(いんこう)科では「異常なし」との診断。結局「原因不明」とされることも多いこの症例に、ある病気が隠れていることがある。声帯が脳のコントロールに従わなくなって起きる「けいれん性発声障害(SD)」だ。

 声帯は気管の上端、のどぼとけのやや下にある。1・5センチほどの筋肉のひだで、呼吸時は空気を通すために開き、声を出す時は閉じる。肺から出た空気は声帯のすき間を通る時に震えて音が出る。この音を鼻腔(びくう)やのどで響かせ、舌や唇で調整して多様な声が生まれる。

 SDは声を出そうとする時、本人の意思とは無関係に声帯が極度に緊張して閉じ、声が詰まってしまう病気だ。筋肉の運動をつかさどる脳のプログラム異常で起きる病気「ジストニア」の一種とされる。脳の機能を回復する根本的治療法はまだ開発されていない。

 千葉県の会社員の女性(26)は大学生だった6年前、声に異変を感じた。電話オペレーターのアルバイトでのどを酷使したからかな、と考えているうちに大きな声が出なくなり、ついにはささやき声を絞り出す状況になった。何軒も病院を回ったが「ストレスでしょう」と言われるばかり。就職先の会社では、無理をして話すと声が震え「あがり症を治せ」と言われた。

 「SDの声帯は外見はまったく正常。専門医以外では診断できない例も多い」。新宿ボイスクリニック耳鼻咽喉科(東京都新宿区)院長の渡嘉敷亮二・東京医科大教授は言う。精神科の薬を処方され続けたり、SDとは無関係な吃音(きつおん)の矯正にお金と時間をつぎ込んだ患者もいる。発症は10~30代が多く、大半が女性。患者数は全国に約2000人とされるが、渡嘉敷教授は「実数ははるかに多い」と見る。

 声帯を使わない「裏声」で話すと症状は出にくくなるが、根本的な治療にはならない。最も一般的な治療は声帯に猛毒のボツリヌス毒素を少量注射し、緊張をゆるめる方法。外来で治療でき、声は元に戻るが、注射の効果は約3カ月しか続かない。また注射直後は声が出にくくなり、1週間以上失声状態になる人もいる。保険診療対象外で1回3万~4万円の治療費がかかり、国内に治療施設が非常に少ないという問題がある。

 手術は2種類の方法がある。一つは、勝手に閉じようとする声帯の筋肉を全身麻酔下で取り除く方法。首に傷跡は残らず、基本的に術後数カ月で正常に近い声に回復できる。二つ目は声帯がくっついている甲状軟骨(のどぼとけ)を中央で縦に切開、間にチタンの金具をはさみ声帯のすき間を広げる方法。のどに小さな傷が残るが、効果が低い時は元に戻せる。ただし両手術ともすべての患者に効果が出るわけではない。

 女性は昨年5月、SDと診断され、数回の注射後、今年8月に筋肉摘出手術を受けた。まだ声がしゃがれがちだが、徐々に本来の声と「話し好き」な性格を取り戻しつつある。

 軟骨形成術を受けた患者には、歌声を取り戻した人もいる。シンガー・ソングライターのCOZ(カズ)さん(36)。06年にSDと診断され、「歌はあきらめて」と宣告されたが、患者仲間の「歌声を聞きたい」との声に後押しされ、同年12月に手術を受けた。専門医が「奇跡的」と言う回復で、昨年9月にはライブを開催。今年はネットで寄せられたSD患者の声を歌詞にした新曲も発表した。「SDの仲間のために、歌い続けたい」と話す。

 今年は「S・D・C・P発声障害患者会」が活動をスタート。ボツリヌス注射の保険適用などを求め、厚生労働省に署名を提出した。自身も筋肉摘出手術を受けた、患者会代表の田中美穂さん(43)は「声が出ないことで周囲の人との関係が作れなくなり、失業や不登校などで心を病むSD患者が多い。多くの患者に正しい情報と治療を届けられる態勢が必要です」と話す。

   ×  ×  ×

 SDの情報は同患者会(http://sdcp.web.fc2.com/)、渡嘉敷教授が代表を務める「声のケアと治療を考える会」(http://voiceclinic.jp)などで得ることができる。

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20100929ddm013100168000c.html -gooニュース

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2010年09月29日 13:30に投稿されたエントリーのページです。

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