毎日うだるように暑い。体がだるい、食欲もうせ、ボーッとして気力がわかない、なんていう人も多いのでは。そもそも夏バテとはどんな症状? なぜ夏は体調を崩しやすいの? 夏ならではの疑問を考えてみた。【小松やしほ】
◇寝苦しい夜―牛乳を1杯/水分補給―ビール逆効果
Q 暑いと、体がだるく、食欲がなくなったり、やる気が低下したり、いわゆる夏バテの状態になる。どうして夏は体調を崩しやすいのか。
A 夏バテにははっきりとした定義はないという。北陸大学薬学部臨床薬学教育センターの中川輝昭教授によると、次のようないくつかの特徴的な症状がみられた場合、夏バテといわれている。
(1)体温調節の不調。ヒトは体温が36~37度の時が一番活動しやすい。暑くなると、血管が拡張して汗を出すことで体温調節を行うが、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられるため、熱が体内にこもり、疲れやすくなる。また、冷房の利いた室内と、暑い屋外との温度差が大きいと、体温を調節する自律神経のリズムが乱れて自律神経失調症を起こしやすい。
(2)体内の水分・ミネラル不足。気温が上がり、たくさん汗をかくと、体内の水分と一緒に、ミネラル分も排出されてしまうため、体内の電解質バランスが崩れ脱水症状を起こす。そして体調に異常を起こしてしまうと考えられている。
(3)食欲低下、栄養不足。暑さが続くと、胃の消化機能が低下し栄養の吸収が悪くなり、食欲不振を起こす。栄養の吸収が悪いと、ビタミン類やたんぱく質、ミネラルなど体に必要な栄養素も不足がちになり、だるく感じたり、根気が続かなくなったりする。また、冷たい物ばかり取ると、胃腸が冷え、胃の消化酵素の働きが低下し、消化不良を起こし食欲がなくなるという悪循環に陥る。
Q 平熱の高低や、やせているか、太っているかなどで、暑さの感じ方は違うの?
A 夏に強いか弱いかは、感覚や環境などの要因も関係するので、体温や体形で一律に判断はできない。
ただ、自律神経失調症の人は、体温調節がうまくできないため、夏バテになりやすい。自律神経失調症気味の人には体温の低い人が多いと言われている。このことから、体温の高い人は夏に強いと言われるのかもしれない。
Q 夏はなぜ寝苦しいのか。
A 外気温の高い夏の夜に快適に眠るためには、室温が25度前後、湿度は40~60%が最適。しかし、エアコンの風に直接当たっていると、体温が奪われ、健康には良くない。室温は多少高くても、除湿をすれば、寝苦しさは多少解消される。
どうしても寝付かれないときには、牛乳をコップ1杯飲むことがお勧めだ。牛乳に含まれるカルシウムには鎮静作用がある。
Q 女性と男性で冷房の感じ方が違うのはなぜ?
A 体温は内臓や筋肉の活動により作られる。一般的には、女性の方が男性より筋肉が1割程度少ないため、同じように熱を作れず、女性は男性より冷えに弱い。
また、夏でもスーツを着用している男性の快適温度は約20度、薄着の女性は約28度。何と8度もの差がある。
Q 「夏」風邪とわざわざ呼ぶのはどうして?
A 風邪のほとんどはウイルスの感染が原因で起こる。ウイルスの数は200種類以上と言われている。ウイルスは、インフルエンザウイルスなど、寒くて乾燥した環境を好むものが多いが、暑くて湿度の高い夏のような環境が好きなウイルスもいる。アデノウイルスは、のどの痛みや頭痛を訴え、39度以上の高熱が続く、俗に「プール熱」と呼ばれる症状や結膜炎、急性胃腸炎を引き起こす。エンテロウイルスに感染すると、手のひら、足裏、口内に水疱(すいほう)が出る手足口病や高熱とのどの痛みのあるヘルパンギーナなどになる。
このようなウイルスに感染した場合、インフルエンザなど冬の風邪と区別する意味で「夏風邪」と呼んでいる。
「夏風邪」は冬の風邪に比べ、胃腸障害を伴うことが多いという違いもある。
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Q 夏に増える怪談話。聞くと涼しくなるの?
A 怖い話を聞いたり、恐ろしい体験をしたりすると、背筋がゾゾゾッとして寒気がし、体がひんやりすることがある。冷や汗をかいたり、鳥肌が立ったりすることによるものだ。その時には、皮膚は冷たくなっており、皮膚の血管が収縮するなど寒い時に起きる反応と同じなので、涼しく感じる。
Q のどが渇いたとき、冷たい物を飲む方がいい?
A のどが渇いたと思う時には、すでに脱水症状が起きている。冷たい飲み物の方が温かい飲み物より、胃から腸への到達時間が短いので、早く渇きを潤すことができる。しかし、あまり冷たい物ばかり飲んでいると、消化不良などの原因にもなるので、飲み過ぎは良くない。
Q 水分補給はビールでも大丈夫?
A ビールに含まれるアルコールには利尿作用があるため尿の量が増え、水分がたくさん出て水分不足になる。効果的ではない。
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Q 夏によく食べる食べ物で、ウナギと梅干し▽天ぷらとかき氷、あるいはスイカ――などは食べ合わせが悪いと言われるが、どうして?
A 現代医学と漢方の両面から食べ物の研究をしている「東医食治研究会」会長で薬学博士の田村哲彦さんによると「ウナギは脂っこさと、梅干しの酸味が刺激しあって消化不良を起こすことがある」という。一部には「梅干しを食べるとさっぱりするので、つい食べ過ぎてしまいおなかをこわす」からとの説も。だが、ウナギと梅干しは、現在の栄養学の観点から見れば、決して悪くはないという。
天ぷらとかき氷も、かき氷やスイカなど水分の多いものを大量に取ると、胃液が薄まり、天ぷらのような油ものを消化しにくくする。夏のものではないが、カニと柿もどちらも体を冷やすので、食べ合わせが悪いと言われる。
食べ合わせでいけないものとは胃腸があまり強くない人が、気をつけたほうがいい組み合わせだ。「胃腸が丈夫な人は、何を食べても大丈夫」だという。
Q 体に悪い食べ合わせは夏に多い気がするが、夏だけなのか。
A 衛生上の問題で、食中毒や疫病は夏場に起こりやすい。まず食べ物から気をつけようということだ。
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