ビジネスマンを襲う現代病をわかりやすくお伝えするこの連載。第1回は、最強のビジネスツールといえるパソコンによる弊害です。自分も事務所で原稿や企画書をパソコンで書き、自宅ではダラダラとネットサーフィンに興じる毎日。いったい何が問題なの? 『ビジネスマンの心の病気がわかる本』の著者であり、横浜労災病院 勤労者メンタルへルスセンター長の山本晴義先生に話を伺った。
「急激にOA化が進んだ先進国などで増えているのが『テクノストレス症候群』です。このテクノストレス症候群には、職場などでパソコンの使い方がわからずにストレスを感じる『テクノ不安症』と、パソコンに過剰適応してしまう『テクノ依存症』があります。特にテクノ依存症は若い世代に多いんです。長時間パソコン作業に没頭することで会話をする時間が不足してストレスが溜まり、重症になるとうつ病や対人恐怖症、パソコンがないと不安に感じる強迫症状などを引き起こす場合があります。また、身体面では、同じ姿勢でずっとパソコン作業を続ける(モニターを見る)ことで、肩こりや眼精疲労などの原因になることも確認されています」
うん? ということは…テクノ依存症の根原は会話不足ですよね。それってパソコンだけに限らないんじゃあ…?
「パソコンの画一的な反応に慣れてしまった影響が、コミュニケーションの問題として表れるのです。パソコンは正確でウソをつきませんが、人間はウソをつくし曖昧(あいまい)なことも話します。極端な話、物事をイエス・ノーで考える、数字に置き換えるなどのデジタル発想になりがちで、曖昧なことが許せないんですよ。例えば、恋人に『あなたのことが好き』と言われても『じゃあ、何%好きなの?』などと数字で答えが欲しくなる。相手の答えが望むものじゃないと、ぶっきらぼうな態度をとってしまうこともあるし、人付き合い自体がわずらわしく感じることもあります」
この場合、ひとりでパソコンに向かって仕事をしている分には問題はないが、共同作業や同僚との交流が、うまくいかないケースが多いとか。
「テクノ依存症は人と交流する経験を増やすことで改善します。対処法のひとつとして、休憩時間を使って仕事仲間との交流を増やすなど、少しずつ対話する時間を増やすことがオススメです」
今後も長い付き合いになりそうなパソコンだけに、日常生活でうまく共存できるように意識したいもんです。
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