文部科学省が20日公表した07年度の児童生徒「問題行動」調査結果は、いじめが依然深刻な問題となっていることを示した。新たな問題として「ネットいじめ」も浮上。自殺にいじめが関係している可能性がある5件のうち、神戸市の私立高校3年の男子生徒(当時18歳)のケースでは悪質なネットいじめが確認されており、対策が急務だ。【三上健太郎、向畑泰司、西嶋正法、服部陽】
男子生徒は07年7月に自殺。生徒の名前を冠したサイトが勝手に作られ、住所や電話番号、メールアドレスが書き込まれた上に、裸の写真まで掲載されていた。加害生徒は「うそ1回につき罰金1万円」というルールを作り、メールで現金を要求。要求額は計50万円近くに上り、被害生徒は学校に隠れてアルバイトをしていた。
ネットいじめは本人が知らないところで中傷されるのが特徴で学校側が把握しにくい。このケースで学校は発覚直後の会見で「登下校も一緒で仲良しに見えた」と説明した。最近は、携帯電話のサイト上で相手を中傷する書き込みが主流。書き込み内容を巡るトラブルも目立ち、殺人、傷害事件にまで発展するケースも少なくない。
このため、ネットの正しい使い方などを教える情報モラル教育に取り組む学校も増えている。文科省も教員向けのネットいじめ対応マニュアルを約8万部作成、来月中に全国の国公私立の全小中高校に2部ずつ配布する。
◇暴力発生率、地域で差 香川10・1/福島0・4
過去最高となった暴力行為件数。発生率は都道府県間で大きく異なった。
香川県は、暴力行為の1000人あたりの発生が10・1件と全国ワースト1。不名誉な記録に、県教委義務教育課は「現実をしっかり受け止めた結果だ」と述べた。小学校で152件ある器物損壊は「トイレットペーパーを便器に投げ込む」「ロッカーをける」行為も含み、細かく把握した結果との説明だ。ワースト2の高知県。県教委は、高い離婚率や困窮家庭の増加が背景にあるとみている。
一方、1000人あたりの発生が0・4件と3年連続で全国最少の福島県。県教委は「小中学校で少人数教育が進み、小さな変化に教師の目が届いている」と胸を張る。全国に先駆けて02年度から、小1と中1を30人学級とした。05年度には全学年に広げ、その年から暴力発生率が全国最低となった。ある小学校教員は今年、男子同士が「体育館裏でけんかする」と別の児童から教えられ、未然に防いだ。「少人数が奏功した」(県教委)という。
香川、高知と隣接する徳島県は、発生率0・5件と全国で2番目に少ない。県教委は、県警や児童相談所などと話し合う「サポートチーム」の連携が機能していると説明している。ただし、調査が実情を反映していない可能性もある。文部科学省の基準はあるものの、どこまで報告するかは現場に委ねられているためだ。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20081121ddm041040015000c.html -gooニュース

