平成22年 3月議会 一般質問 市民クラブの加藤尚登です。通告に従い、順次長岡市政について質問を行います。まずはじめは、「子どもたちの笑顔あふれる芝生化の推進について」であります。校庭の芝生化については、近年、当市議会でも質疑が盛んに行われるようになりました。さかのぼれば、平成18年9月議会の文教福祉委員会で、共産党市議団の竹島議員から「サッカーが盛んになってきて、校庭の一部でも芝生化できないかという要望があるが、市の受け止め方はどうか」というシンプルなものが最初ではないかと思います。その後も、一般質問では、19年6月議会で我が市民クラブの丸山勝総議員が、21年6月議会では公明党の藤井議員から、そして前回12月議会では再び丸山議員から質問がありました。そのほか、文教福祉委員会では、公明党の中村耕一議員、我が市民クラブの松井一男議員も推進の立場で言及されておられます。そしてついに、本年、私の母校ですが、桂小学校で取り組みが始まったわけであります。まずは、教育総務課、公園緑地課はじめ、関係者の皆さんのこれまでのご努力に深く感謝申し上げます。地元としても、長岡方式の芝生化の魁としての誇りを胸に刻み、責任を持って管理に取り組みたいと思います。私自身も、地元から声を上げたものの一人としてこの芝生化の過程に関わってきたわけですが、地元と、教育委員会との協議の中で感じたことや、これまでの議会でのやりとりの中で感じたこと、そしてこの1月に鳥取方式による芝生化について視察をして参りましたので、これらを交えて、これからの当市の芝生化の推進について質問をさせていただきたいと思います。まず最初に確認しなければならないのは、私たちは、何のために芝生化を推進するのかという原点であります。その上で、その目的を達成するためにはどんな芝生が必要なのか、そして、どんな維持管理が必要になるのかを検討する必要があります。車にも軽自動車から、高級車まで、様々な規格があるように、芝生も求められる規格は違います。陸上競技場と、校庭の芝生のレベルは同じである必要はありません。私たちは、子どもたちが安全にそして楽しく屋外にでて、体を動かし、楽しい時間を過ごして欲しい、そして、その結果、体力と健康の増進につながって欲しい、そういう思いで芝生化を推進するわけです。この点は、これまでの議論を見ても教育委員会等理事者の皆さんと私たちは一致しています。私たちが視察したNPO法人グリーンスポーツ鳥取は、平成15年から全国614カ所のべ101万平方メートルの芝生化に関わっています。その北限は宮城県で、新潟県内でも2カ所の実績をお持ちのようです。その一番の特徴は、利用レベルにあわせた施工、管理体制を組む、というところにありました。校庭では、前に述べた目的を達成するのに、ゴルフ場のような高水準の芝生クオリティーを追求する必要はないという考え方です。具体的には、@ 暗渠排水、土壌改良は省略して、表面水排除のため1%程度の勾配を付ける。A 灌水を省力化するためにポップアップ式スプリンクラーを設置する。B 生育旺盛な芝、バミューダグラスのポット苗を50センチ間隔で、6月に定植すれば、そのグランドを利用しながらでも9月には緑の絨毯ができる。C 年間40回程度の芝刈り、数回の施肥、それと灌水に重点をおいた、簡単な管理内容とし、雑草の草抜きなどはいっさいしない。などというものです。校庭を全面芝生化して、生徒一人あたりの芝生面積を15〜20平米とれれば、養生期間も必要ないと言います。初期費用は、高性能芝刈り機を含めて、平米単価1000円ほど。管理費用は年間平米100円程度というものでした。芝生化したある小学校で、こどもたちの50メートル走を計測したところ、2秒近くもタイムが縮まったそうです。これは、土のグランドと違い、転ぶ恐怖心から解放されて、スライドが自然と大きくなり、100%の力を出して走れるからだと、代表の、ニール・スミスさんはおっしゃっていました。芝生のトラックは滑って転びやすいからトラックは土でなければならないという、今回の桂小学校でもでた議論については、「土のトラックは、転ばないように力をセーブして走ることになる。芝生なら転んでも痛くないから、子どもたちは思いっきり走る。思いっきり走るから、転ぶこともあるだろうが、どちらが子どもにとっていい環境なのか?」と疑問を呈しておられました。はやり、最初にでた芝生化の目的をしっかり確認する必要があると思います。そこで、校庭の芝生化についてお伺いします。Q1 グランドの全面芝生化など、トラック部分も芝生化しても差し支えないと私は考えますが、ご見解を改めてお伺いします。Q2 桂小学校においてなされた丁寧な施工・・・これはこれでありがたいのですが、芝生化のコストは、今後の普及スピードに重要な要素となると思いますので、あえてお聞きしますが、今回の施工では芝刈り機も含めて全体で平米単価はいくらかかったか、簡単な施工内容も含めてお聞きします。Q3 今後の維持管理にかかる費用はどれくらい見積もっておられるか、お伺いします。鳥取では、保育園、幼稚園でも芝生化が行われていました。そこの園長先生からお話を伺いましたが、子供たちの変わりように保母さんも、お母さんたちもびっくりしたそうです。園児たちは、いつも外に出て遊ぶようになったし、おうちでも保育園であったことを盛んにおかあさんに話すようになったそうです。ほかには、陸上競技場、公園の芝生も見学してきました。要は、芝生の求められるレベルによって、芝生の施工方法も管理体制も変わってくるということです。目からうろこが落ちる思いがしたのは、河川敷の芝生を見学したときでした。従来は年2回の草刈をして平米30円の管理費がかかっていた河川敷を、年間15回の芝刈りに変えた結果、管理費が平米10円まで軽減することができたという点です。ここは、ただ単に草を刈っているだけの管理です。芝を植えたわけでもありません。それでもその河川敷はきれいに草が刈りそろえられた芝生になっていて、市民の憩いの場ともなっているのです。しかも管理費が安くなる、一石二鳥の裏わざといえないでしょうか。洪水時に土が入ったら、ブルドーザーで均しておいて、その後生えてくる草を刈っているだけなのです。当市の河川敷スポーツ広場の芝付化の参考にならないでしょうか。そこでお伺いします。Q4 小中学校の校庭のほか、保育園、幼稚園の園庭、公園、スポーツ広場の芝生化についての推進の方向性はどのように認識されているのかお伺いします。Q5 鳥取方式では、あらゆる場所の芝生化について実践され、その考え方は、従来の日本人の固定観念を打ち破るものです。これから長岡方式の芝生化を確立していく上で、参考になることが多いと思われます。ぜひ職員を派遣して調査・研究をされたらいかがでしょうか。お考えをお伺いします。大項目二番目の「市民の健康を増進する食育推進について」お伺いします。今、香川県で始まった「 弁当の日」という取り組みが全国的に注目されております。2月21日に新潟市のホテルにおいて「ひろがれ弁当の日IN新潟」というシンポジウムが開催され、創始者の竹下和男校長先生が、これまでの実践を振り返って、子供が変わる、家庭も代わる、地域も変わるこの「弁当の日」の報告をされました。竹下先生は、『この「弁当の日」の取り組みを全国に広げてゆくことで日本を変えたい!』とまでおっしゃっていました。それだけの力が、この「弁当の日」の取り組みにはあると私も感じています。昨年8月29日には、長岡市においても「食卓の向こう側」の様々な問題点や、「弁当の日」を含む多様な取り組みを取材報道した、西日本新聞社の編集委員佐藤弘氏の講演会も実施され、大きな反響を呼びました。簡単にこの「弁当の日」とはどういう取り組みかをご説明します。まず対象者は、当初小学校5・6年生から始まりました。現在は、中学校はもとより、大学まで広がっているということですが、基本は、小学校5・6年生にお弁当の作り方を約半年かけて家庭科などで教え、後半に年3〜4回程度「弁当の日」を設定します。当日は、子供たちは自分のお弁当を自分で作って、学校に持ってきます。子どもたちの生きる力を養い、食材や、それにかかわる人たちへの感謝の気持ちを持つようになり、そして、自分も誰かのために食事を作ることができる人になろうとし、「おいしいよ」と言われたときは、自分は家族の中で役に立つ存在なのだと喜びを感じます。子供たちは、家庭での「暮らしの時間」を手に入れることによって、心の空腹感を満たすことになるのです。親子の会話は格段に増え、中には、お父さんのお弁当まで一緒に作ってしまう子もいたそうです。この取り組みは、現在全国で、600校近くまでひろがり、宇都宮市や、千葉市では、教育委員会主導で全小中学校で取り組んでいます。実は、私も、お弁当の日を月一回設けてはどうかと地元の小中学校に提案したことがあります。私の提案は、お母さんに子どものお弁当を作ってもらうことによって「食と子どもの健康」にもっと関心を持ってもらいたい、穀物価格高騰の時でしたから、給食費の値上げを回避できるという読みもありました。その結果は、先生方は全員賛成してくださいましたが、お母さん方の激しい反対に遭ってしまいました。「忙しい朝に子どものお弁当なんか作っていられない」「給食の方が安くて、栄養も考えてあるから安心」という声が出ました。あるおとうさんは、「毎日俺の弁当を作っているんだから、手間なんか かからんだろ?」という助け船を出してくれましたが、「あなたの弁当と、子どもの弁当は違います!」という 私たちにとっては不思議な・・・激しい反論に、私たちは、為す術がありませんでした。一方、この竹下先生の弁当の日の秘訣は、『お母さんは手伝わないでください』というところにあったのです。お母さん方の気持ちがよく分かっている先生だと、感心させられます。当長岡市では、家庭で子どもに手伝いをさせよう運動「家庭でワクワクお手伝い」を推進しています。長岡市食育推進計画では、中学生への取り組みとして「長岡ぴったり3・1・2弁当が作れ、自分でつめることができる」と掲げています。そこでお伺いします。Q6 現在、市内小中学校でこの「弁当の日」を実践しておられる学校はあるのでしょうか。Q7 宇都宮市や、千葉市のように、全市をあげて取り組んでいる自治体もありますが、当市でも、長岡市食育推進計画に乗っ取った「長岡独自方式」での弁当の日の取り組みを検討していただきたいと考えますが、今後の方針についてお伺いします。続いて、長岡市食育推進計画についてお伺いします。昨年3月に関係者のご努力で、長岡市食育推進計画が策定されました。これまで私は、一般質問又は、委員会質問でもたびたび言及させていただきましたが、この計画は、長岡の特色をふんだんに盛り込んだ、わかりやすい計画であると高く評価するものです。特に「長岡ぴったり3・1・2弁当箱法」は、何をどれくらい食べればいいかという問いに対し、明確な指針を端的に示すものとして大変優れた方法だと思います。計画の表紙に大きく書かれたその長岡独自のキャラクターを地元小学校の給食試食会に呼ばれた時に、小学生たちに見せたところ、「かわいい!」と、大好評でした。そこでお伺いします。Q8 計画策定から、一年がたちます。これまでの取り組み内容と、今後の計画について改めてお伺いします。Q9 大好評の長岡独自のこのキャラクターの活用をもっと進めるべきと考えます。シールを市内のお米屋さんや、農家が全国発送するお米に張ってもらって、長岡の食育を全国にアピールする方法はいかがでしょうか?又、小学生には、反射シールにしてランドセルに張ってもらうように全児童に配布してはどうでしょうか。Q10 このキャラクターは、どなたがデザインしたのでしょうか?大変好評です。愛称を公募するなど、より市民に知ってもらい、親しんでもらえるような一工夫をお願いします。ご見解をお伺いします。次に大項目三番目、「コシヒカリDNA検査について」お伺いします。新潟県は、今年度から年2回、首都圏においてDNA分析調査を始め、来年度からはさらに調査地域や回数を増やしてゆく方向と伺っております。さきごろ首都圏での25点の分析結果が発表されました。コシヒカリBLの作付け率が90%の新潟米が、検査では、BLの割合が低いという結果に対し、消費者は知事と同じように違和感を覚えたことでしょう。しかし、まじめに販売している米屋さんはとまどったことと思います。そこでお伺いします。Q10 このDNA分析調査の目的と効果について当市の認識をお伺いします。Q11 今回発表された分析結果についてどういうご認識をお持ちかお伺いします。大項目四番目 「部局横断的な政策の取り組みについて」お伺いします。このたび4月1日付で大変重要な組織部制の変更が行われます。企画部と、政策広報部を統合し、さらに総務部から秘書課を移動してきて「市長政策室」という強力な部が創設されます。その中心は、組織横断的な、重要政策課題の調整を行う、「政策企画課」だろうと推察しております。と申しますのも、近年の複雑多岐にわたる市民ニーズや、複合的な新しい政策課題に取り組むためには、誠に時宜を得た対応であると考えるからです。そこでお伺いします。Q12 この市長政策室の政策企画課がその調整を所管することになる「組織横断的な重要政策課題」とは具体的には何を想定しておられるのでしょうか 。Q13 今回の質問でも取り上げた「食育推進」は、福祉保健部、農林部、教育委員会の部局横断的な取り組みであった訳ですが、これからの取り組みにもこの政策企画課は役割を果たすのでしょうか。Q14 例えば、食料・環境・エネルギーの各政策は 密接に絡み合っている、これからの重要政策課題と考えられますが、こういう取り組みにも是非この新しい組織の力を発揮してもらいたいと考えるがご見解を伺います。さらに国・県から降りてくる新たな政策に対応するだけでなく、部局と部局の隙間にある新しい政策課題を果敢に発掘し、市長より国・県に提言をあげ、新しい政策分野を切り開くという積極的な取り組みを期待するものです。その意味で、秘書課の移動も活きてくると思うのです。平成22年度の森市政が、この新しい組織編成の下、市役所の駅前回帰による中心市街地活性化や、公園内の子育ての駅、PFI方式による生ゴミバイオガス事業、熱中感動夢づくり教育などに続く、さらに新しい「長岡方式」の政策を全国発信し、長岡市民が誇りに思える「新しい長岡」を建設していただきますようご期待申し上げて、私の質問を終わります。