◆子どもが犠牲になった事件について子どもと話そう
[専門家オリジナルコラム]より(横矢真理「子どもの危険回避研究所」主宰)
最近、子どもが巻き込まれた事件や事故についてのニュースを聞くことが多くなりました。お子さまと一緒にニュースを見たり、聞いたりした場合、何か話をしていますか? 子どもが殺されたニュースを見ると、感受性豊かで繊細なお子さまの場合、「怖いからもう外に出たくない」と言いだすことがあるかもしれません。親の不安も伝わります。過敏になって、ただ怖がるかたちにならないように、前向きに危険に対処する方法を考える場にしてください。
怖いニュースを見たら、逆にその事件について話し合う機会にするようにしましょう。「怖いわね、いやね」と耳をふさぐのではなく、「どうすれば同じようなことが起こらなくなるのだろう」「自分だったらどうやって危険回避をしたらいいのだろう」ということを、家族で意見をだし合ってほしいのです。被害者の家族の気持ちまで一緒に思いをめぐらせ、再犯防止のために何ができるかを前向きに話し合いたいですね。何歳からそういう対応ができるのかは、お子さまの成長度合いや環境によっても違います。その判断はお任せしますが、小学生になれば、少しずつ話ができると思います。
●犯人はその犯罪をなぜ起こしたのか、犯罪者について話し合うのはやめたほうがいいでしょう。原因を追求していくと「父親が留守がちの家だった」「母子家庭だった」「スパルタ教育だった」など、さまざまな要因がでてきます。しかし同じ状況でも、犯罪を犯さない子どものほうが圧倒的に多いわけなので、子どもが偏見などもたないように注意しましょう。
●親子で対等に意見を言い合うように習慣づけていくと、子どもに力が備わっていきます。どういう意見であれ、よく話を聞いてみてください。
●犯罪だけではなく、地震、集中豪雨、いじめ、虐待など幅広く話題にするようにしましょう。集中豪雨があれば、「自分の住んでいる地域で同じ雨量の雨が降ったらどうなる?」と考えてみてください。地域の防災マップ、水害マップなどがあるはずですから、逃げ場所など確認するようにしましょう。前向きに対策を考えてください。
●注意せねばならないのは、夜遅めのニュースを見て話をするのはやめたほうがいいということです。夜に怖い話を聞くと、布団の中に入ってから思い出して不安で仕方なくなったという子どもからの訴えがありました。
先日、小学生・中学生が集まって話し合う会に出席してきました。大人への要望として「子どもでもわかりやすいニュースを流してほしい」という意見がでましたので、NHKの「週刊こどもニュース」(毎週土曜 18時10分)や、「朝日小学生新聞」などが、わかりやすく解説したり、深く調べてたりしているので、ぜひ見てねと話をしました。いい情報を取り入れ、親子で「考える力」を育んでいきたいですね
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