カフェインが豊富なコーヒーは、高血圧を招く要因になるなど、体に悪いイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょう? またコーヒー以外にも、緑茶などのお茶と血圧の関係性についてもご紹介していきます。
コーヒーと血圧の関係は?
コーヒーには、血圧を上昇させる作用がある「カフェイン」が含まれているので、高血圧を招く要因になると考えられてきました。しかし最近では、コーヒーを飲んでも血圧には関係ないという研究結果や、むしろ飲んだほうが高血圧になるリスクが減るという研究結果も報告されているようです。
このように、コーヒーの高血圧への影響は、研究結果がまちまちなので、はっきりしたことはわかっていません。しかし、いくつかの研究結果をまとめて解析したところ、平均1日5杯のコーヒーを2ヶ月間飲み続けることで、収縮期2.4mmHg、拡張期1.2mmHgと、軽度ながら血圧が上昇したことがわかったようです。
ただし、コーヒーにはカフェイン以外にも「ポリフェノール」など、いろいろな成分が含まれているので、動脈硬化を抑制したり、糖尿病のリスクを下げたりするなど、体に良い側面もあります。1日に何杯もガブ飲みするのはオススメできませんが、1~2杯程度なら大丈夫なようです。
お茶は高血圧に良い?
緑茶にもカフェインが含まれているので、飲んですぐには、一時的に血圧が上がるようですが、たくさん飲む人は、高血圧になりにくいという研究報告があるようです。
その理由は、「カテキン」が入っていること。血管の収縮や血圧の上昇には、「アンジオテンシンⅡ」という物質が関わっていますが、カテキンには、この物質を生成する「アンジオテンシン変換酵素」を阻害する作用があります。
また緑茶には強い抗酸化作用もあるので、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化の予防にも役立ちます。
また、血圧の抑制を目的に開発されたお茶に「ギャバロン茶」という新種の緑茶があります。緑茶の葉を摘んだあとに、しばらく窒素ガスの中に保存してから、通常の方法で製造したお茶で、味・色・香りは、ふつうの緑茶とほとんど変わりません。
緑茶と違うのは、血圧を下げる効果が認められている「GABA(γ-アミノ酪酸)」の含有量が、5〜10倍にも及ぶこと。臨床試験では、ギャバロン茶を1日3杯以上3ヶ月飲み続けた高血圧症患者の半数以上に、はっきりした降圧効果が認められたのだそうです。
ギャバロン茶に含まれるGABAは、1煎目でほとんど抽出されるので、茶葉をこまめに取り替えて飲むのがポイントです。