以前と比べて食生活に大きな変化はないものの、最近ときどき胃もたれや胸やけといった違和感を覚えるようになった、という人はいませんか?もしかしたらその胃弱の原因、加齢によるものかもしれませんよ。
肉より魚が好きになる…説は本当か!?
中年になると「最近めっきり肉より魚でさ」というフレーズを使う人がいますね。自分には無縁だ、と思っているあなた、ここに興味深い調査結果があります。
過去1年以内に胃もたれや胃が重いと感じたことがあると答えた全国の20~60代の男女840人に、「以前と比べて胃もたれがしやすくなったか、胃もたれが気になるか」を聞いたところ、7割以上の人が昔に比べて胃が弱くなってきていると感じているのです。そしてそれを自覚し始めた年齢は、平均して39歳。アラフォー世代以降は、まさに胃もたれを感じ始める適齢期という結果が出ました。
どうして胃は歳をとるのか?
そもそも胃とはどういう臓器なのでしょう?胃は食道と十二指腸の間にあり、口から入った食べ物を受け止められるように内部が空洞の袋状の臓器です。空洞とはいっても内壁からは、塩酸やたんぱく質分解酵素のペプシン、粘液などが分泌されています。食べ物は、この液体の海に落ちるとすみやかに溶かされ、ドロドロの粥状になって十二指腸へと送られていきます。ここで重要なのは、この強い酸性の液体が自身の胃粘膜は傷つけないこと。これは胃がまず粘液を分泌することで、胃粘膜の上に薄い防護壁を作り、胃液から自身を守っているのからなのです。また食べ物が落ちてこないときには、弱いアルカリ性の液を分泌し、胃の中を中性に保とうとしています。
こうした胃液のさまざまな分泌機能を支えるには、粘膜細胞の働きを維持することが大切です。そのとき重要になってくるのは胃粘膜の血流量が活発なことです。しかし年齢を重ねるごとに残念ながらこの血流量は減少してしまいます。食欲はあるし以前と同じ食事がとれはしても、胃粘膜の刺激に対する抵抗力は弱まっています。胃の内容物を排出するまでにも、長い時間がかかるようになるのです。
若くてもなる「秋バテ」からくる胃の不調
年齢のほかにも、体が弱っていることからくる胃の不調もあります。特に今の時期注意が必要なのは、夏の疲れが遅れてやってくる「秋バテ」です。思い出してみてください。暑いからといって冷たいものを大量に摂取していたころのことを…。夏の刺激に耐えた胃袋はダメージを受けています。回復していないうちに今度は脂の乗った魚や肉など、秋の味覚がどんどん食道をつたって落ちてきます。本人は食欲も増しているので、ついつい食べ過ぎてしまう…。これでは胃もたれは当然かもしれません。
市販の胃薬を上手に活用しよう
食べ過ぎや飲み過ぎ、食事習慣によって原因が分かっている胃の不調には、まずセルフケアで様子をみましょう。市販の胃薬を使う場合は、その種類に注意が必要です。胃もたれや消化不良には、胃粘膜修復成分や健胃成分の配合されたものを選びましょう。胃粘膜修復成分は荒れた胃粘膜にバリアを張ってくれたり、胃粘膜の血流量を増やしてくれます。一方健胃成分には植物などの自然由来の生薬が配合されていて、その苦みや香りが味覚神経を刺激して胃液の分泌を促し、胃の働きを活発にしてくれます。生薬は東洋医学の長い歴史のなかで見出された効き目と安全性の高さで安心できる薬です。もちろん副作用もあるので、購入の際は薬剤師に相談しましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20141027104357761.html