◇4市に災害救助法適用 災害弱者支援を強化
27日午前9時現在の積雪量が魚沼市(旧湯之谷村)で322センチ、小千谷市で313センチ--。災害救助法の適用基準を超えたとして、県は27日、豪雪対策本部を5年ぶりに設置、魚沼など4市に災害救助法を適用した。泉田裕彦知事は「県民の生活を守るため、組織を挙げて対応する」と述べ、高齢者ら要援護者への除雪支援を強化するとした。新潟地方気象台によると、30日から31日にかけて、冬型の気圧配置が強まり、山沿いに加え、平野部でも大雪になる恐れがあるとして注意を呼びかけている。
県が豪雪対策本部を設置するのは、県全体で320人の死傷者が出た06年以来。今冬の被害は27日現在、死者16人、重傷者70人、軽傷者76人で、死傷者は計162人に上っている。このうち65歳以上の高齢者が73人。昨年1月27日時点の死傷者155人(うち死者15人)を上回った。
県は21日に豪雪警戒本部を設けたが、災害救助法や県災害救助条例の適用基準を超える積雪を記録した市町村が相次いだため、対策本部に格上げした。
災害救助法と県災害救助条例は、要援護者を対象に、市町村が代わりに行う除雪や機具購入などの費用を国や県が支援する。合併前の旧市町村ごとに積雪量の基準があり、27日までに災害救助法は小千谷市、魚沼市、長岡市(旧小国町・栃尾市・川口町)、十日町市(旧川西町)が、県災害救助条例は長岡市(旧山古志村)が適用対象となった。
対策本部の初会合では、災害弱者対策を中心に話し合われた。高齢者ら要援護者の人数や支援状況▽通学路での支障の有無▽除雪ボランティアの活動状況--などの把握を急ぎ、全庁一体で必要な対応を取ることを確認した。除雪作業を担う建設業者はフル稼働状態が続いているが、泉田知事は「手が回らないなら、公共事業を一時延期してでも対応する」とし、除雪に困った場合、行政に相談するよう呼びかけた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110128-00000116-mailo-l15