餅が喉に詰まっても掃除機で吸わないで 別府市消防本部「正しい応急処置を」
餅が喉に詰まっても掃除機で吸わないで―。餅を食べる機会が増える正月を前に、別府市消防本部は食べ物を詰まらせたときの正しい応急処置を呼び掛けている。「掃除機で吸い出すと良いと思っている人も多いが、あまりお勧めではない。正しい応急処置法を知ってほしい」
同本部によると、意識がある場合は「腹部突き上げ法」と「背部叩打法(はいぶこうだほう)」が有効という。意識がない場合は直ちに119番通報をし、詰まった食べ物が見えなければ心肺蘇生を優先する。
腹部突き上げ法は(1)食べ物を詰まらせた人を後ろから抱えるように腕を回す(2)片手で握り拳を作り、親指側をへそとみぞおちの間に当てる(3)その手をもう一方の手で包むように握り、素早く手前上方に向かって圧迫するように突き上げる。妊婦と乳児には使用不可。
背部叩打法は(立位と座位の場合)背後に回り、手の付け根(手首付近)で左右の肩甲骨の間を連続して力強くたたき、詰まった物を吐き出させる。横たわっている場合は体を横向きにさせ、前側から腕を伸ばし同じように肩甲骨の間をたたく。
掃除機で食べ物を吸い出す方法は、ノズルが舌や口内の粘膜に吸い付くなどして救命効果が薄いため推奨していない。
喉に食べ物が詰まり窒息状態になると、両手で喉を押さえる「窒息のサイン」を出すことがほとんどだという。
同本部は「迅速にサインに気付いて正しい処置をすることが大切。迷ったら119番通報をして、オペレーターに指示を仰いでほしい」と呼び掛ける。