東日本大震災の影響で結婚式を断念した岩手県陸前高田市の新婚夫婦に式をプレゼントしようと、奈良市内のホテル関係者が支援に乗り出した。新郎新婦には直前まで知らせない“サプライズ”を企画。式は13日に陸前高田市で予定しており、関係者はウエディングドレスを発送するなど準備を進めている。
式を挙げる新郎新婦は、陸前高田市の漁師の男性(26)と、同市で網を使った手芸の組みひも「ミサンガ」などを製造販売する施設で働く女性(26)。
東日本大震災による津波で、男性だけでなく、女性の父親の漁船も流されるなどの被害を受けた。一段落した今年8月にようやく婚姻届を提出したが、復興間もない被災地には結婚式場やドレスなどを確保できる施設がなく、二人はやむを得ず挙式をあきらめた。
そんな話を聞いた知人女性が、奈良市内でホテルを経営し被災地の支援活動もしている企業グループ「ノブレスグループ」の川井徳子代表(54)に「結婚式をプレゼントしてあげたい」と相談を持ちかけた。
川井代表は、無償で式のプロデュースや装花の用意に応じる一方、衣装などについて、市ホテル協議会に協力を呼びかけた。
老舗ホテル「奈良ホテル」などの関係者が次々と名乗りをあげ、当日の式の運営をサポートするスタッフも派遣する展開となった。
新郎新婦には事前に何も知らせないサプライズ演出を計画。式場は女性の職場を予定しており、二人には式当日に開催を告げる。
川井代表は「たくさんの善意と協力のおかげで挙式が実現できそう。新郎新婦だけでなく被災地にも笑顔を届けたい」と話している。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20121006126.html