見附市などが整備を進めてきた障害児・障害者施設「まごころ学園」(同市田井町)の新施設が完成した。障害児施設では難しいとされてきた全面木質を全国で初めて実現。入所者それぞれの個室も整備されるなど居住環境も大幅に充実している。5~46歳の計35人が13日から新施設で生活を始める。(松崎翼)
まごころ学園は見附、三条、加茂の3市と田上町で構成する県中越福祉事務組合が運営する施設で、主に知的発達に遅れのある18歳未満の児童らを受け入れている。旧施設は昭和38年の開設以来老朽化が進み、新施設の建設が進められていた。
新施設は平屋で、延べ床面積は約1900平方メートル。総事業費は6億9091万円。耐火基準などが厳しい障害者施設での全面木質の実現は困難とされてきたが、排煙窓やスプリンクラーを各部屋に設置したり、さまざまな避難経路を確保したことなどにより、基準をクリアした。
旧施設は4人部屋しか設けられていなかったが、新施設では国産ヒノキのベッドなどを備えた個室全36室を整備。フィンランドの児童文学「ムーミン」に登場するムーミン谷をイメージした建築で、切妻の屋根をそれぞれの個室にかぶせた造りになっている。
5日には関係者向けの内覧会が行われ、金安良則園長(59)は「子供たちは自分の部屋ができたことをとても喜んでいる。施設内にはさまざまな仕掛けもあり、活動の幅が広まる施設になった」と笑顔。設計を担当した長岡造形大(長岡市千秋)の山下秀之教授(57)は「子供たちが主役という意識で設計した。自由な発想で遊んでほしい」と力を込めた。
9日には一般向けの内覧会も行われた。問い合わせは同施設(電)0258・62・1811。
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