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ベビーカーで散歩後、熱中症を発症。39度の高熱に!

ベビーカーで散歩後、熱中症を発症。39度の高熱に!


今回は、急に暑くなった日、いつものようにベビーカーで散歩をしていて、赤ちゃんが熱中症になってしまった症例を、北九州八幡病院救命救急センター・小児救急センター院長である市川光太郎先生に、紹介いただきました。

散歩中、赤い顔で静かになり、「眠いのかな」と思い…

「9ヶ月の女児ですが、散歩後に急に高熱39度が出て、グッタリしていて水分をまったくとらないとの救急要請です。搬入可能でしょうか?」とホットラインから連絡があった。酸素濃度を測定し、必要なら酸素を投与しながらすぐに搬入するように指示して到着を待った。

到着後、母親に抱っこされて救急室に入ってきたが、確かにグッタリしている感じが見受けられた。熱感はあるものの、のどの赤みなどはなく、風邪症状もないとのことであった。急に暑くなった日でもあるので、熱中症も考えないといけないと思いながら、電解質などのチェックのために、採血と点滴を研修医に指示して、結果を待つことにした。

その間に母親に話を聞いたところ、「突然の39度の高熱でグッタリして、いつもよく飲んでくれる母乳もまったく受け付けないので、すごく不安になり救急車を呼んでしまいました。風邪症状はないのですが、何でしょうか?  散歩に行くまではまったく普段と変わらず元気だったんです」と話してくれた。やはり、熱中症が疑われると考えながら、具体的に散歩の様子を聞いてみた。

「本当は散歩は夕方から行こうと思っていたのですが、夕方にお友だちが来ることになったのと、子どもがぐずり出したこともあって、14時ごろからベビーカーで出かけました。日差しが強かったのですが、子どもは散歩をすごく喜んで、でも日よけを嫌がったので、風が通るからそのほうがいいかなと単純に考えて、日よけを下ろさずに散歩しました。車が好きなのか、公園の中に入ると嫌がるので、車通りを散歩しました。1時間近く散歩したところでおとなしくなってきたので、眠たくなったのかなと思っていました。顔色も悪くなく、どっちかというと赤みが強かったので、『眠いんだ』と思い込んで、そのまま30分ほどかけて家に帰りました。家に着いて寝かせようとしたら、体がとても熱く、すぐに目を覚ましてぐずりだし、おっぱいをあげてもまったく飲もうとしなかったんです。それであわててしまいました」

直射日光と輻射熱で中等度の熱中症に

「結局、外にいたのは2時間近くなんですね、その間ずっとベビーカーで、しかもずーっと舗装された道路の上だったと言うことですね」

「そうですが、今までもそういうことはありましたが…」と母親はか細い声で答えた。

「地面と近いところ、とくに舗装道路の直上の温度は、お母さんが体感する温度より1~3度高いと考えたほうがいいので、ベビーカーでは予想以上に熱くなるというか、暑熱環境となりやすいです。こんな暑い日には、時々抱っこしてあげるとか、公園とか土の上に移動して、そこで水分を与える、あるいは体温の様子をみるなどが、必要ですね。また、今日は急に暑くなったので、とくに注意が必要だったと思います。お子さんは、治療を必要とする中等度になりつつある熱中症です。念のために一晩入院で点滴をしてもらい、元気になったところで明日退院しましょう」と説明した。
母親は、ばつが悪そうな顔を見せたが、すぐ納得した。

赤ちゃんは体温調節機能が未発達で、熱中症になりやすい

赤ちゃんは体温調節機能が未発達。そのため、直射日光が当たる場所や高温多湿のところで長時間過ごすと、熱中症を起こし、最悪の場合、死に至ることも。暑い夏の屋外だけではなく、締め切った室内、車内、真冬の暖房の効きすぎた室内でも起こります。乳幼児期は、必要水分量が多いので、常に注意が必要です。

★赤ちゃんの熱中症対策は?

1。ベビーカーに乗せているときは、時折抱っこをするなどして赤ちゃんの様子をこまめに確認して。

2。赤ちゃんが嫌がっても、日よけなど直射日光を避けるものを必ず使うようにしましょう。

3。散歩の途中には、こまめに水分補給をするようにしましょう。

市川先生が、赤ちゃんがかかりやすい病気や起きやすい事故、けがの予防法の提案と治療法の解説、現代の家族が抱える問題点についてアドバイスしてくれる、「救命救急センター24時」は、雑誌『ひよこクラブ』で好評連載中です。『ひよこクラブ』2018年6月号の「救命救急センター24時」では、夏場に起こりやすくなる食中毒の1つ「サルモネラ菌食中毒」を取り上げます。(構成・ひよこクラブ編集部)

■監修/市川光太郎先生
北九州市立八幡病院救命救急センター・小児救急センター院長。小児科専門医。日本小児救急医学会名誉理事長。長年、救急医療の現場に携わり、子どもたちの成長を見守っていらっしゃいます。

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