ここ数年、たばこ葉に火をつけずに、電気的にヒーターで加熱などして吸う、新しいタイプのたばこ(以下、「加熱式たばこ」とします。)が発売され、煙やにおい、タールなどの吸入や空間への排出が少ないとされていることから販売数を伸ばしています。
一方、加熱式たばこの使用前後のたばこ葉が入った部分を食べてしまったという事故情報が医療機関ネットワークに9件、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)にも2件寄せられており、いずれも2016年度以降に発生したもので、被害者の年齢が判明している10件については、すべてが1歳5カ月までの乳幼児でした。
今後、加熱式たばこの普及により、たばこ葉が入った部分の誤飲事故も増加することが考えられることから、加熱式たばこのたばこ葉の入ったスティックやカプセル(以下、「スティック等」とします。)3タイプ12銘柄の誤飲のリスクについて調査し、情報提供、注意喚起することとしました。
主な調査結果
形状、サイズ等
- すべての銘柄は子どもが誤飲しうる形状でまた、12銘柄中9銘柄は、子どもの口腔(こうくう)内に容易に収まるサイズでした
たばこ葉中のニコチン量
- すべての銘柄で、1本分のたばこ葉には嘔吐(おうと)を引き起こすおそれのある量のニコチンが含まれていました
表示等
- スティック等の商品のパッケージに、誤飲に関する注意が記載されている銘柄はありませんでした
- 本体キットのパッケージ等の注意表示には、すべての銘柄で、子どもの手の届くところに置かないようにといった旨の記載がみられました
- 販売者が運営する商品の公式ホームページには、6銘柄(1タイプ)では誤飲への注意の記載がみられましたが、他の6銘柄(2タイプ)ではみられませんでした
消費者へのアドバイス
- 加熱式たばこの使用前の1本分のたばこ葉中には、中毒症状が現れるおそれのある量のニコチンが含まれています。使用前後のたばこ葉の入ったスティック等は、乳幼児の手が届かない場所に保管・廃棄するようにしましょう
- 乳幼児が加熱式たばこのスティック等を誤飲した場合には、水や牛乳などを飲ませず、直ちに医療機関を受診しましょう
事業者への要望
- 乳幼児が容易にたばこ葉の入ったスティック等を取り出せないよう、外箱の構造等の改善を要望します
- 乳幼児によるたばこ葉の入ったスティック等の誤飲を防止するため、商品パッケージの表示やホームページ等により、保管・廃棄には十分に注意する旨の啓発をより一層推進するよう要望します
要望先
- 一般社団法人日本たばこ協会(法人番号1010405001087)
情報提供先
- 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 内閣府 子ども・子育て本部(法人番号2000012010019)
- 財務省 理財局 総務課 たばこ塩事業室(法人番号8000012050001)
- 文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課(法人番号7000012060001)
- 厚生労働省 健康局 健康課(法人番号6000012070001)
- 厚生労働省 子ども家庭局 保育課(法人番号6000012070001)
- 厚生労働省 子ども家庭局 母子保健課(法人番号6000012070001)
- 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室(法人番号6000012070001)
- 公益社団法人日本小児科学会(法人番号5010005018346)
- 公益財団法人日本中毒情報センター(法人番号6050005010703)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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