専門家「シン・ゴジラ」に匹敵、毒アリ生息拡大の恐れ
神戸と尼崎で見つかったヒアリ。専門家は絶対に国内に入れてはいけないナンバーワンの生物、「シン・ゴジラ」だとも話しています。
多くのコンテナが、陸上げされる神戸港。今月16日、そのコンテナ置き場で新たに見つかったのが、強い毒を持つ南米原産のヒアリです。その数約100匹。
「神戸港で見つかったヒアリです。大きさは約3ミリから6ミリほどあまり大きくありませんが、猛毒があり、刺されると命にかかわります」(山根淳綺記者リポート)
ヒアリは先月26日、中国から神戸港に陸揚げされたコンテナを尼崎市内で開封したところ大量の成虫や卵が見つかり、追跡調査が行われていました。神戸市によると神戸港ではコンテナから20~30メートル離れたアスファルトの亀裂に群がっていたということですが、これまでに繁殖の母体となる女王アリは見つかっていないということです。
「やっぱり怖いなって。(子どもを)外で遊ばせるのもどうしようかなと」(近くの住民)
「(子どもは)言っても触るので、アリとか虫に興味があるので。普通のアリは怖くないが、私たちもヒアリがどういうものか見た目でわからない」
神戸港周辺では19日午後から捕獲用の罠が設置されたほか、保育園では職員が園庭に置かれたマットの下などにヒアリがいないか確認作業を行いました。専門家はヒアリについて、最も国内に入れてはいけない外来生物だと警告します。
「世界で絶対入れてはいけない100種類の生き物を、世界の機関から選んでいる中のナンバー1。シン・ゴジラがポートアイランドに上陸した感じなので叩かなくては」(兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員)
ヒアリは公園や農耕地などにアリ塚と呼ばれる土の巣を作ります。最大で高さ90センチ、深さは180センチに達するといい、2~3万匹ものヒアリがいるケースもあります。
「腹部の先から針が出ています。死ぬまで刺し続けることができる。ハチ毒よりも複雑な成分でできている。化膿したりアレルギー症状が出たり後々尾をひく」(兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員)
過去にも、毒を持つ外来生物が国内に定着したケースがありました。「セアカゴケグモ」です。神経毒を持ち、刺されると死に至る恐れのあるこのクモはもともと亜熱帯地方で繁殖していましたが、1995年に大阪の高石市で初めて確認されてから国内で分布を拡大。環境省によりますと、今年2月時点で青森、秋田、長野以外の都道府県でセアカゴケグモが確認されているということです。一方のヒアリ。生息域を拡大する最悪のシナリオもあるといいます。
「もしも1年から2年に、すでに(ヒアリが)定着していたとすれば、新女王アリを飛ばしているはずですから、必ず外に1つでも2つでも巣が見つかるはず。早く見つけて、小さなうちに叩くのが大事」(兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員)
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