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仮想通貨「突然の高騰」の背景にあるもの 世界の金融市場が硬直化するなかで…

足元で仮想通貨が急騰している。今年4月以降、主要な仮想通貨に、セグウィットと呼ばれる通信を効率化する技術が搭載され、仮想通貨の取り扱いが一段と簡素化された。これを受けて、1か月程度の間にモナーコインの対円交換レートは400%程度も上昇した。もちろん、仮想通貨の代表格であるビットコインも急騰している。

 仮想通貨急騰の背景には様々な要因がある。新技術の導入から取引の参加者が増えるとの観測や憶測に加え、大手銀行が仮想通貨の実用化に向けた取り組みを発表したことなども相場に影響している。ただ、何と言っても、個人投資家中心に仮想通貨に対する関心が高まり、多額の資金が仮想通貨市場に流入していることがある。
高騰の背景にあるもの
 ビットコインは、分散型の情報ネットワークシステムである“ブロックチェーン”を用いて、特定の管理者がいない中での取引の安全性と非可逆性を確立した。

 ブロックチェーン等の技術を応用して大手企業が仮想通貨を実用化できれば、社会にはかなりの影響がある。企業の信用力と、送金などにかかるコストの低さが誘因となり、円やドルなどの法定通貨よりも仮想通貨への選好が高まる展開も排除はできない。その場合、これまで市中の商業銀行、通貨制度を守ってきた中央銀行が本当に必要かとの議論が進む可能性すらある。

 長期的な視点で考えると、仮想通貨が普及することの潜在的なインパクトはかなり大きい。そのためには、仮想通貨の信用の向上と価値の安定など、解決されなければならないことが多い。未だ、仮想通貨の市場は発展の初期段階にある。一部の愛好家、自国通貨の価値に不安を抱く新興国の人々を中心に取引が行われているのが実態だろう。

 それでも、仮想通貨は米国株式などをはるかに上回るペースで上昇している。ボラティリティが低下する中、先行きの楽観に乗じて短期的な利得を狙う取引が増えているのだろう。ただ、これは持続的な動きではない。裏付けの乏しい仮想通貨は単に人々の人気に支えられている面が大きい。その人気に陰りが出ると、どこかで加熱した相場が急落する可能性は高い。
無視できないリスク
 仮想通貨高騰の背景には、仮想通貨自身の要因に加えて、世界的な金融市場の変化率=ボラティリティの低下もある。動きの鈍い金融商品を追いかけるより、大きく変化する仮想通貨を取引する方が収益機会は大きいからだ。ここまで金融市場全体のボラティリティが低下する中で仮想通貨の急騰が進んできたことを考えると、両者は無関係ではないだろう。

 ただ、別の見方をすると、金融市場の動きがこれほど鈍くなっていること自体、何か不気味な雰囲気を感じる。米国株式市場のボラティリティ(資産価格の変動率)の水準を示すVIX指数=恐怖指数などは、経済・金融市場の変調を示す指標として注目されてきた。その恐怖指数が、ここへ来て20年来の低水準になっている。

 現在、世界各国の株式、債券、為替など多くの市場にて、ボラティリティが大きく低下している。それは、投資家がリスクとリターンの関係を考えると、大きく動く必要がないことを物語っている。北朝鮮問題やトランプ大統領の政権運営への不安など、潜在的なリスク要因が多く、「いま動いてもあまり特はない」と認識している証拠だ。

 ただ、これまで変化率が大きく低下した後、突然、何かの拍子に市場が大きく動き出すことがあった。今後、世界経済の予想外の変調などがあるかもしれない。つまり、変動率の低下は“嵐の前の静けさ”と考えることができる。そうした状況に備えて、各仮想通貨の動きを注意深くウォッチしていくことは、今後の相場動向を考えるヒントになるだろう。
真壁 昭夫

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