昨今、中高生のSNS利用率は増加傾向にあり、その中でもLINEは友人とのコミュニケーションに一役買っています。しかし、そのLINEによって、グループ上で行われる「LINE外し」や「既読スルー」といった集団いじめが起きているのも事実。そして、その中にはさらに悪質な脅迫も含まれてきます。
これらLINE上で行われるいじめは、親が気がつかないうちに水面下で進行し、お子さんにとっては、精神的に大きな負担がかかり、最悪の場合は、自分で命を絶ってしまうケースもあります。
そこで、探偵である筆者(総合探偵社スプラッシュ 代表:今野裕幸)の元に訪れた相談者のお話から、LINEに関わるお子さんのいじめ被害の実態についてお伝えします。
背に腹は代えられない!子どものLINEを見て発覚する事実も
ある日を境に、朝、学校に行く時間になると、「頭が痛い」「お腹が痛い」と言った不調を訴え、学校に行きたがらない傾向が見られた時は、いじめが理由になっていることがあります。
この場合、相当追い込まれている状況が考えられますが、実態がわからない親からするとどう対処すればよいかわかりません。なので、お子さんに聞いても、一切無く状況を掴めないといった場合は、お子さんのスマホの中にある情報をたぐり寄せるのも一つの手段です。
LINE上には、お子さんが仲良くする友人関係や、関わるコミュニティーがわかります。また、それらのLINE上でのやりとりから関係性や実態がわかります。
もちろんプライバシーの問題はありますが、背に腹は代えられないケースもあります。いじめの事実があるかどうかも、LINEでわかるケースが増えています。
友人に相談しているLINEからもいじめの実態が読み取れる
いじめと言ってもその方法は様々です。物がなくなる、壊される、体に怪我をしているといった実害がある場合もあれば、LINE上で行われるネットいじめもあります。
お子さんのLINEを把握する理由としては、今まさに繰り広げられているネットいじめを把握する意味もありますが、実害として行われているいじめ被害を友人に訴えているなど心の叫びを知る意味もあります。
普段は直接言葉で表されないお子さんの内なる気持ちを、LINEで知り得ることが出来ます。
LINEでいじめを知り得たら
お子さん本人は、真実を親に伝えることで、学校に話が行き、いじめた本人へ話が通ることで、「告げ口しただろ」とさらなる被害を増長させてしまうことを懸念して、正直に言わないことが多々あります。
なので、LINE上で行われているいじめが発覚した場合、まずは事実関係の把握から始めましょう。
誰から誹謗中傷を受けているのか、また、どういった関係性なのか、いじめを受けるようになった背景など、画面キャプチャーや画面ごと撮影するなどし、事実関係がわかる記録を付けていくことが望ましいと考えます。これが後々、いじめを証明する証拠になることもあります。
また、無闇にお子さんへ追求をするのではなく、まずは事実として、LINE上の内容と照らし合わせ実態解明を行っていくことが必要です。
いかがでしたか? 筆者の元へは、命を絶ってしまったお子さんの親御さんが泣きながら相談に訪れたこともありました。あの時、察していればと。残されたLINEからは悲痛なお子さんの心の叫びが聞こえることも多々あります。
お子さんのLINEを見るのはためらうかもしれませんが、大切なお子さんの命を守るためにも、覚えておいてくださいね。
(ライター 今野裕幸)