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いじめ加害者へ「ごめんと言えば許せる」 長崎中3自殺から3年 息子の「遺書」、初めて中学で朗読へ

長崎県新上五島町で2014年1月、いじめを受けていた町立中学3年の松竹景虎さん=当時(15)=が始業式の朝に自殺して8日で3年になる。両親は損害賠償を求め町と係争中だが、望んでいるのは当事者の謝罪と対話だ。「いじめの加害者はごめんと一言言えば必ず許してもらえるだろう」。景虎さんが死の約半年前に書いた作文にはそうつづられる。中学では10日の始業式後、景虎さんの作文を全校生徒に初めて紹介、命について考える機会とし、両親も同席する。

 作文は、人権をテーマにした夏休みの課題だった。景虎さんは「空気」と題して、自身の被害には触れない形でいじめ問題を約2千字にまとめた。

 「いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気。加害者でさえも空気によって動かされている」

 「解決方法はただ一つ。みんなが親友になること。実はすごく簡単なはず」
「謝ってもらい、顔を見て語り合いたい」
 景虎さんは当時「死ねばいいのに」などと同級生から悪口を言われていたが、父裕之さん(52)と母稚代香さん(57)には伝えていなかった。亡くなって2カ月後、仲の良かった同級生からいじめがあったことを告げられ、学校から作文を渡された。当初、混乱した両親も、今はその作文を息子の「遺書」と受け止める。

 町や学校には作文を活用し、再発防止につなげてほしいと伝えた。その願いが自殺から3年を経てようやく実る。稚代香さんは「いじめを遊び感覚で続けると取り返しのつかないことになると知ってほしい」。裕之さんも「教職員にも子どもの命を守る立場にあることを再認識してほしい」と訴える。

 一方、両親は既に卒業している同級生全員に、家に寄ってほしいという内容の手紙を出したが、返信も訪問もないという。それでも作文の一節が両親の背中を押し続ける。「笑顔で話さなければ相手の性格はわからない。笑顔の大切さを忘れないでください」

 裕之さんは「同級生たちがいつまでも苦しさを背負う必要はない。私たちも許してあげないといけない。だからこそ息子の気持ちを知り、謝ってもらい、顔を見て語り合いたい」と話す。昨年12月、町がいじめと自殺の因果関係を一転して認めた訴訟では、和解も視野に協議を始めている。

=2017/01/08付 西日本新聞朝刊=

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