温室効果ガス排出量の上位を占めるインドが、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の批准に前向きな姿勢を示したことで、パリ協定の早期発効の可能性が より高まった。先月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では年内発効を目指すことで各国が一致しており、石炭や石油に頼らない脱炭素社会に向けて一歩踏 み出すことになる。一方、日本は批准手続きが遅れており、「日本抜き」で発効する可能性もある。
パリ協定は、京都議定書(1997年採択)に代わる新枠組みとして、昨年末の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で策定された。
協定発効には、批准国の排出量の合計が世界全体の55%を超えることが要件だったが、中国や米国、欧州連合(EU)などの主要排出国は批准に前向きな姿勢を示しており、インドなどの新興国の対応が焦点になっていた。ロシアも、批准に向けた国内手続きを進める方針だ。
日本は「2030年までに13年比で26%削減」との目標を掲げ、サミットでは「年内発効を目標に努力する」との宣言を盛り込んだが国会の手続きが遅れ ており、流動的な情勢だ。名古屋大の高村ゆかり教授は「このままでは、日本の『乗り遅れ』という印象が強まる。日本は早期に国内手続きを進めるべきだ」と 話している。【久野華代】
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